株式会社インパルス AE86
AE86用SUPER CARBON製ドライカーボン部品の参考強度数値
2015.04.09
日本ユピカ製CBZ樹脂を国内でいち早く採用しインフュージョン成形にて製品化に成功した
SUPER CARBON製品ですが、オートクレーブ成形品と比べた強度は図表の通りとなります。
実測とカタログ値の参考比較表ですが、強度はほぼ同等と言えます。

AE86用ドライカーボン製品はインパルス社とSUPER CARBON(KYOEN社)の
コラボレートによって生み出されており、性能、機能、効果をより多くの方に
知って頂きたいと既に販売を開始しております。

オートクレーブ成形とインフュージョン成形(VaRTM)の主な違いは、成形サイクルの短さにあります。
工業製品界では製造時間(成形サイクル)が長いオートクレーブは高品質ながら高額になると
言われてきました。そのためプレス成形、RTM成形が採用されましたが、樹脂リッチとなりやすく
オートクレーブ品ほどの軽量化は難しかったのです。
しかしながら、この両面を克服したのがインフュージョン(VaRTM)成形でした。
インフュージョン成形においてもエポキシレジンを採用した場合、
最高強度に達する物性変化温度が高いため高温炉を準備する必要があり
オートクレーブの有無による明確な差を見出しにくかったのですが、
CBZは高強度ながら物性変化温度が低く、課題であった様々な問題を克服出来たのです。

また、CBZとVaRTMの組み合わせは、カーボン型や金型を使用する必要性が減り
コストを抑えた高品質高強度FRP型を用い、製品成形(硬化)後に高温炉で仕上げます。
この最終工程で物性変化による最高強度へ導くことができます。(参考図表)
型の耐熱性、変形のリスクを減らすことで、ワンオフ品などの少量ロットの製造が容易となりました。

このような理由により、AE86ドライカーボンプロジェクトを成し遂げることが出来たのです。

インフュージョンは真空圧によって樹脂を注入するVaRTM成形のことです。
型に敷かれたカーボン材などを真空し、その中に樹脂を注入させます。
研究開発の過程ではカーボンに浸透する含浸率が十分でなかったりするなど
数え切れないほどの失敗を繰り返してきました。
ですが、多くの失敗と多くのトライを行い完成した製品が
SUPER CARBONブランドのドライカーボン製品となります。

VaRTM成形技術は古くからある技術でJAXAのホームページでも研究評価が紹介されています。
http://www.aero.jaxa.jp/research/basic/composite/manufacture/